第103週 花特集1

春雨やまだ見ぬ夢も朧なり


短日の余命を問わば恋終る


春雨や濡れ行く人も艶めきて


咲くまでも散る後までも花であり


月光と共に満ちたり寒椿


月薫る夜道にありて沈丁花(金木犀)


幻影と知れど亡き君花櫓


幻と知れど亡き君花構え


花毛氈踏む位置迷い歩まれず


雨に映ゆ花ある下に花咲きて


雨桜傘の内まで染まりけり


雨桜急ぎ足まで歩をゆるめ