第106週 吉野特集2

夜桜や隠者の庭に隠れ咲き


花の芯我いる位置を花に問い


我に問う花の声あり昏(くれ)まさる


花津波呑まるる如く夕まぐれ


我もまた囚人(めしゅうど)ならむ花の檻


伝説の寺はるかなり花の奥


過ぎ去りし日も妖(あや) しきや花樹老いて


吉野の代表桜


風の声花史語らずも位力(いりょく)あり


老残の齢数えたり花吹雪


その奥も静寂(しじま)となりて競い花


招かれて吉野にあれど花囚人(めしゅうど)


寒戻り葉桜までも花戻り