第112週

窓の外時雨降るなり独り酒

窓濡れていつの時雨ぞ独り酒

窓に鳴る時雨に気づく独り酒


窓の外時雨に濡れて蟻帰る

侘しさも肴の内や時雨酒

窓濡れていつ降り初めし時雨酒


濡れた窓時雨の中を人帰る


我独り更け行く夜や時雨酒


生き残る野良の資格や遅い春


通い猫先着順に餌を待ち


猫額(ねこびたい)湯気立てて待つ出前かな


犬端の会議の後やはぐれ猫