第120週 アウシュヴィッツ特集1

この無念供養届かず天高し


怨念を積みて雪崩れず収容所


緑道の涼風を浴び生還す


死ぬ列と観る列分くるポプラの背


ナチの日や有刺鉄線灼熱す


引込の先は地獄や収容所


墓石建つ乱るる中の草いきれ


押し込まれ三段ベッドや隙間風


生きながら腐れ果て行く悪夢かな

腐りてもなお生きており収容所