第7週

─宮田美乃里氏に─

花祈願生死の距離を埋めかし

バイラオーラのサパテアードに


我が知りし一期の歌人永遠(とわ)にあれ

せめて託さむ言の葉草を


唇の触れたるあたり我が知りし

一期の歌人命の証か


何の謎含む涙や雨止まず


花に問う女の謎の重さかな


街角のドアを開けば秋の音


去る人の目立つ駅ありいまは秋


蕎麦食えば旅の途上の駅にいて


迷い道路地を抜ければ秋の花


逝く人に声なき君の鰯雲


夜もすがら書きたる筆の窓明かり

虚しき床になに横たえむ

君はいま不眠の床か我もまた

言の葉尽きて月冴え渡る


雨止みて星降る中の猫会議


雪模様猫も鳴かずに夜更けり


雨の底花を落として柔らかし


迷いたる路地を抜ければ星の海

君住む町は星の奥らし


月化粧見馴れし町に迷いおり


思い出は端午の節句の母とあり


青嵐に聞く声のあり君は亡し


山影の霞む距離まで形見分け


追憶は追わず山影緑萌ゆ