第51週 花化粧1

花を追う人ばかりなり街香る


すれちがう人みな花に酔いにけり


行き暮れて迷いし路地の花明り


花の奥花に染まりし空のあり


花屑(はなくず)をまぶして生けり工事人(びと)

花屑を汗にまぶせり工事人


花屑を地に撒くごとし工事人

汗拭う手に花びらの舞い落ちて


花の下もののけ共の宴かな


花びらと午睡(ごすい)のなかで逢ひにけり


花びらをまぶして列車着きにけり


花ふぶき雪見の宴とまがふなり


花狩人恋の行方を知らずして


花占ひ恋の予感を秘しにけり

花戦(いくさ)散るも残るも今日かぎり


花舞えば散り敷きたるに出会い居り


花化粧落とさぬままの入日かな


花間(はなあい)に間借(まが)る三日月やせ細り