第64週

珈琲の香り分けたり朝の客


巣立ち後の行方は追わず雛の旅


鬼までが化石となりて春めけり


新緑に侵されている森のカフェ


灯の奥は知らねど夏隣り


昏(く)れ残る森の奥より死者の声

主潜む気配と共に霧の息(いき)


朝靄を分けたる人よ一期の茶