第192週 おくのほそ道写真俳句紀行

のぼり着き声呑むまでの紅葉寺


(雲巌寺)


のぼり着き声なきあとの紅葉寺


(永井曽良)


飛ぶ鳥も紅葉襲(かさ)ねて雲巌寺


都への雲映したり通都(つうず)川


積み重ね天まで至る紅葉寺


菊の紋紅葉の中に間借りして

菊の紋紅葉に濡れて黙(もだ)しけり


(永井曽良)


碑文まで風化の跡や苔に聴く


人生の重荷下ろして蕎麦の客

蠅までも一期一会や蕎麦の客


(八溝蕎麦)


行く雲を染めて溢るる野の紅葉


(永井曽良)


竹林に古(いにしえ)を聴き蕉碑立つ


(永井曽良)


古き色溶きたる奥や秋の寺


(永井曽良)


車窓染め瞼こじ開く照紅葉


(永井曽良)