第609週 写文俳句12月その1

除夜の鐘未練と共に余韻引き

人生は一分一秒、毎日の積み重ねであるが、やはり年末となると、人生一年ごとの区切り点として感慨新たなものがある。今年、自分はなにをなしたか。どんな出会いがあり、別れがあったか。人生七転び八起き、良いこともあれば悪いこともある。ついていた人は良いことが多く、不運な人は悪いことが多かったであろう。いずれにしても人生には変わりない。来るべき年に新たな夢をかけながら、過ぎ行く年をしみじみと振り返る。年の暮れは、どんな人でも多少センチメンタルになる。それが年の暮れのため息となって凝縮されてくるのである。

初出:2009年12月梅家族(梅研究会)