第34週

降誕祭十字架空を背負いけり


夕闇の降り積もりたる街角に

軒灯仄(ほの)かに来し方を染む


鏡像に幻影見たり美術館

人生の旅夫婦熟して


集いたる若き日永遠(とわ)に夏祭


恋の数祭囃子と消えゆけり


母の手に引かれたる街想い出に

烟(けむ)りたるままいま我も母


親となり親心知る七五三


柿盗む位置に空あり手の染まり