第595週 写文俳句9月その2

帰省したり、旅行したり、あるいは合宿、夏の各種競技大会、集中読書、〃武者修行〃など、青春の特権をフルに利用した経験と想い出を土産に持ち寄って、友と再会する。実りある夏の想い出を持っている若者にとっては、九月は友と再会する嬉しい時期でもある。そして反省の時間でもある。

九月に収穫も反省もない人は、おおむね青春を持っていない。あるいは青春に気がつかない。地平線や水平線に盛り上がった雲の峰に夢を飛ばすこともなく、ただ目的と効率だけを忙しく探し求める実社会では、九月という月は通過すべき駅のように軽く見られているようである。~続く~

去る人の目立つ駅あり夏逝きぬ

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初出:2008年9月梅家族(梅研究会)